B会長との友情

12月8日(月)晴れ
友情や思いやりについて考えさせられる。ある、大きな会社のB会長とは、B会長の晩年とてもHAPPYな時間が持てた。B会長は2代目。私を赤ん坊のときから知っている。B会長の孫は、私と幼馴染だ。B会長は仕事も先代の後を継がれ立派に頑張っておられた。
ところが、息子さんが3代目になったとき、新しい事業に上手く乗り切れなくて多額の借金を抱え倒産した。その心労から身体にもきて癌になった。大きな家屋敷も全部処分して、ご自分が建てていた2LDKの賃貸マンションに移り住んだ。元気だった奥様はB会長のことを心配して病気になって先に天国に行かれた。私もその少し前、父が召され、独立していた。母から電話がありB会長が私に会いたいという。休みの午後、会いに行った。マンションにはいると、少し不自由な身体で、しかしとても喜んで「よう来た、よう来た。」と、何年もあってないのに、仲のいい友達のように迎えてくれた。「見せたいもんがある。」と、取り出してきたのは2冊の本。[これ覚えとるか?」[?]「Mちゃん(私のこと)に貰った本だ。」そういえば、20代前半の頃2冊の本を贈ったが、忘れていた。「見てみ。」
中を開くと、本のどのページも上下左右の余白の部分に文字がびっちり書き込まれて、真っ黒である。「Mちゃん、会社つぶれてしもたやろ。苦しいこといっぱいあってな。でも、この本に励まされてきた。何度も何度も読んでは、感銘したことを、書き込んでいった。もう書くところがないほど真っ黒や。このお陰で頑張れたんや。」小さな文字で余地がないほど文字で埋まっている。「これはな、棺桶に一緒に入れてもらう手はずを取ってあるんや。happy-ok3ちゃん有難うな。」私は贈った事も忘れていた。B会長はクリスチャンだったため、何が良いかと、その関連の内容が深い本を探して直接、お家まで届けた事は思い出した。それから、2人で色んな話をした。(おしゃべりではない)孫のような私に色んなことを語ってくれた。本のこと、自分のこと、奥様のこと、、。また来てほしいというので、休みの日時間をつくっては行かせて頂いた。3回目に伺ったとき、私はあることを断った。それは伺った2回の帰りに商品券をほんの少しだが持たせてくれる。B会長にしたら感謝の気持ちだったと思う。「Bさん、私は商品券を頂くために伺っているのではないです。今までのはありがたく頂きますが、これを頂くために来てるのではないです。今回からは要らない。それでもといわれるなら、来る、目的が誤解されるのも悲しいから、来ないです。」
するとB会長は目に一杯涙をためて「何でや、これをワタシがもっとても使う事はないんや。」
しかし、私の意志が固いので諦めてくれた。今度は不自由な身体であちこちから何か机の上に持ってきた。贈答の高級な未開封のお菓子の缶。6,7缶あった。それを全て開封して1缶に色々
詰めだした。「お菓子やったら、ええやろ?」「今回は、いいですよ。」
B会長と話をしていると時間があっという間に過ぎる。あるとき「happy-ok3ちゃん、ごはん食べていき。」という。B会長のご飯は6キロくらい離れたところにいる、お嫁さんが昼前に昼、夜、次の朝の食事を作って運んでいるがそれ以外何もない。[何か買ってきますわ。」というと、「分けて食べよう。独りで食べても、おいしくない、少しでも楽しく一緒に食べたらそれがご馳走や。」
食事を運んでくれても、置いていくだけで一緒に食べる事はないのだ。人様のご飯であるから、気を遣うのでほんの少しだけ、小皿に取った。とても楽しい食事だった。「今日はすごいご馳走やった。これがほんまのご馳走や。」と心から喜んでくれた。もう長くないとご自分も周囲も解っていた。しばらくして、母からB会長が召された知らせを受けた。[お葬式行きません。私は生きておられる間、お互いに良い時間を持たせてもらった。大事なこと、生きている間に沢山教えて戴いたから。」と。多分、政財界の有名な人たちは沢山来られるはずだ。B会長の会社が順調で元気なときは、{友だち}といって、外でおいしい食事も何回もしただろう。本当にB会長が苦しいとき
励ましていただろうか?小さなマンションに移っても、良いとき同様の、いえそれ以上にB会長に笑顔を出させることをされたのかが、大事だと思った。だからお葬式で色んな人の声と姿のギャップをみる事のほうが辛いと思った。またB会長も弱った自分の姿を見せる事が出来るほどの、互いの信頼があったかだ。なぜ、幼い時から知ってるとはいえ、孫のような私に声がかかったのかは解らない。本当の孫は男の子で遠方にいた。晩年に時間は少ないが、天使たちが、私たちの友情をバックアップしてくれたように思う。B会長、お話ししながら2人ともHAPPYで笑顔しかでてこなかったね。あの時間を思い出すと今は私が励まされていますよ。本当のおじいちゃん以上だったよ。

B会長との友情” に対して2件のコメントがあります。

  1. 石畳のん♪ より:

    『天使たちが、私たちの友情をバックアップしてくれたように思う。』で
    涙が溢れてしまいました。B会長さんもハッピーさんに出会えてヨカッタ!
    しかし、ハッピーさんって。本当に真っ直ぐで 正直で 優しい方ですね~♪

    1. happy-ok3 より:

      石畳のんさま、こんにちは。いつも感謝します。

      なぜ、B会長が、母にわざわざ電話して、私に連絡をとってくれたのか?

      『天使たちが、私たちの友情をバックアップしてくれたように思う。』

      ですから、本当にそう思うのです。
      命の時間が長くない事をご存知の上で、このようにお話しが出来たこと、神様に感謝しています。

      いつも本当にありがとうございます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)