アドベント その10 熱いお茶をどうぞ
12月8日(火)晴れ
『まず自分自身の心に光を入れる。』実祝プランニング語録
シャベルを手にしていた元老兵士はステパーヌイチという。「なんだ、ステパーヌイチじいさんか、キリスト様なら良かったのに・・・。」そう思った。そして、仕事にかかり靴を縫いだした。しかし、10針ほど縫ったところで、何故か、気になって窓の外を見てみた。
ステパーヌイチは雪かきを命じられたのだろう。けれど、年老いた身体で、長い時間、それも冷たい雪かきは、相当しんどい仕事のようで、シャベルを壁に立てかけて、身体をこすっていた。どうやら寒さがこたえるようだ。
マルトゥインは考えた。「さぞかし、しんどいだろう。そろそろ、サモワールも沸く頃だ。せめて、ステパ-ヌイチじいさんに、暖かいお茶でも飲んでもらうとしよう。」そして、縫いかけた針を置いて立ち上がった。
テーブルにサモワールを立て、お茶の準備をして、ステパーヌイチにわかる様に、窓ガラスをたたいた。ステパーヌイチじいさんは、気がついて窓の近くまできた。マルトゥインは戸口までいき、戸をあけた。
「やあ、ステパーヌイチ。今日は寒いね。こごえちまう前に、お茶でも飲んで暖まっていかないかね。」ステパーヌイチが笑顔を見せた。「ああ、ありがたい。年老いた身には、寒さがこたえるよ。骨まで痛むようだ。」
マルトゥインは言った。「さあ、お入りよ。ペチカのそばで暖まるといい。」ステパーヌイチは、服についた雪を払い、気を遣って、部屋の床に跡がつかないよう、靴を拭き始めたのだが、ふらついている。
マルトゥインはあわてて言った。「ああ、そのままでいいよ。わしが後で床を拭くから。大事なお客様は何もしなくていいんだ。さあ、お茶を入れるからお飲み。」2つのコップに熱いお茶が注がれた。
ステパーヌイチは、ふうふう吹きながら、熱いお茶を飲んだ。飲み終えるとマルトゥインにお礼を言い出すのだが、マルトゥインにはもう1杯飲みたいように見えた。「さあ、遠慮せずもう1杯お飲みよ。」ステパーヌイチは大そう喜んだ。続きは明日のお楽しみ・・・Copyright2009 実祝プランニング
★★★★★★★★★アドベントともににその関連からHAPPYを見つけていきたい。同じみ言葉から、様々なことが示される。 『詩篇43編3節・どうか、あなたの光とまことを送り、私を導いてください。あなたの聖なる山、あなたのお住まいに向って。』光がある所は、暖かさが存在する。太陽、電気、ペチカの火等等。神の光は人の罪や弱さを照らすが、それはより、その人と周囲の人達の心を暖かくする準備でもある。意地悪や自己中心さに気がつき、それらが除かれて、まず自分自身に光が灯されていくのだ。