妖精たちの優しいHAPPY その3
7月14日(火)晴れ
『HAPPYな顔で誰かを助けることは、見えていなくても素敵な形になる。』
実祝プランニング語録
一体誰が、高い技術をもって夜中に裁断した革を靴に仕上げてくれているのか。
靴屋の夫婦は、夜の11時を過ぎてもカーテンの陰で待っていた。
ついに、時計が12時の鐘を鳴らした。12回目の鐘が鳴ったその時、閉めていたドアがそっと開いた。そして小さな妖精たちが次々に入ってきた。沢山の小さな妖精たちが、急いで床を通って作業台に上って行った。
裁断された革を見ると、まるで靴屋がどんな靴を作りたいのかが、全部わかるようで、槌(つち)でたたき革に合う糸を作業台の横からひっぱってきた。小さな身体なので、道具を持つのも、数人がかりだった。それにもかかわらず、仕事は速かった。目を見張るような、はやさで皆で協力し合いながら、靴を仕上げていった。
言葉は出さないものの、お互いの顔を見ながら、うなづいたり、合図をしながら、ついに靴が仕上がった。とてもHAPPYな顔でこの仕事をしていた。そして革の切れ端や、糸の切りくず等は綺麗に片付けられ、作業台の上には、靴だけが並べられた。そして、靴屋の夫婦を起こさないように気遣ったのか、静かに、しかし急いでまた出て行った。
ドアはまた元通り閉められた。
靴屋の夫婦は驚いて声も出なかった。「あなた、、。」妻がやっと声を出した。「う~ん、妖精たちが困っている人の家に来て助けてくれたり、仕事をいつの間にか手伝ってくれることがあるとは聞いたことがある。しかし、まさか私たちのために、仕事をしてくれていたとは思いもよらなかったよ。」
靴屋は疲れも眠さも、吹っ飛んで、ただ感激していた。妻も感激して嬉し涙を流していた。「ねえ、あなた、あの妖精たちは皆洋服を着ていなかったわ。寒くないのかしら?もうこの頃は雪がちらつくようになったのよ。洋服がないと寒くて可哀想だわ。」靴屋も同じ思いで口を開いた。
「そうだなあ、私たちのために毎晩のように一生懸命働いて手伝ってくれているんだから、何かしてあげたいね。」
妻が言った。「ねえ、暖かい洋服を作ってあげたらどうかしら?小さなズボンにジャケット、それにコート。靴下に帽子。」靴屋は「では、私は小さな靴を作ってあげよう。」二人は家にある材料で心を込めて妖精達にそれらを作っていくことにした。
『貧しくても、誠実に歩む者は、富んでいても、曲がった道を歩む者にまさる。聖書箴言28:6』さあて、続きは、又、明日・・・。Copyright2009 実祝(みのり)プランニング