扉は一つではない

9月19日（金）

『扉は一つではない。』実祝プランニング語録

人生は、努力だけでは思うとおりにならないこともある。

しかし、思うとおりにならなかったから、違う道を

歩けたということもある。

落語家の三遊亭歌武蔵師匠。

元力士である。中学までは柔道では敵なしの強さ。

体格も良かったし、武蔵川親方にスカウトされた。

ところが柔道と相撲は勝負のかけ方も異なる。

辛くてもう、逃げようと、買い物に行くふりをして

そのまま落語家の三遊亭圓歌師匠の所に行き、土下座して、

弟子にしてくださいと頼み込んだ。

理由は落語が好きだったから。

ところが、武蔵川親方と三遊亭圓歌師匠は、仲の良いお友達。

三遊亭圓歌師匠が電話で武蔵川親方に、「君の所から逃げた力士が弟子にしてくれ

と来ているが、ひき渡そうか？」と聞くと、「自分からやりたいというのだから

差しさわりが無ければ、宜しく頼む。」と優しい心遣いがあったらしい。

さて、住み込みの修行中は、大きな身体でよく食べるというので、

親が、食費を三遊亭圓歌師匠に送付していた。

ところが送付されていた食費は、二つ目となって独立した時に

三遊亭圓歌師匠はそっくり三遊亭歌武蔵に渡したという。

親心である。1998年に真打に昇進。

三遊亭歌武蔵という名は、武蔵川親方に感謝してつけた名である。

「幸せの一つの扉が閉じると　別の扉が開く

　しかし私達は　閉ざされた扉をいつまでも

　見ているために　せっかく開かれた扉が

　目に入らないのです。

　（ヘレン・ケラー）」

相撲界では、実績を残せなかったが、落語家として寄席のほかに

自衛隊や警察・消防・刑務所・少年院・病院・老人ホームなど

慰問活動もしている。

多くの人の心に笑いを通して良い道を示す、素晴らしい働きをされている。

私達の道の扉はも、一つではない。

更に良い扉は用意されている。
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