聖・クリスト・フォルスのHAPPY その7
8月30日(日)晴れ
『嵐の中でこそ、実力が試される。』実祝プランニング語録
ホ・フエロォーが嵐の暗闇の中、外に出てみると、土手に一人の男の子が立っていた。まだ、少年である。ホ・フエロォーは不思議に思った。この嵐の中、この子はどうやってここまでたどり着いたのだろう?周囲に大人は見当たらない。男の子は、ホ・フエロォーの顔をみると澄んだ目で微笑んだ。どんな旅人に対しても、ホ・フエロォーは大事に思い運んできた。嵐の時の川はとても危険が伴う。しかし、とにかく嵐の中自分を呼んだのはこの子に間違いない。
この位の子供なら、軽いものだ。何とかなるだろう。ホ・フエロォーはその子を肩に担ぎ、嵐の中、流されないように、杖をしっかり握った。
ところが軽いはずの子供が、ホ・フエロォーが1歩踏み出すたびに、重くなっていくのだ。長い川である。片足出すごとに重さが増し、普通の男性の何十倍もの頑強さと力を持ち合わせたホ・フエロォーであるが、重さに肩が痛み出した。今までどんな体格の良い人と荷物を運んでも背中を曲げることのなかったホ・フエロォーであるが、背中が曲がってきた。足も伸ばしていられなくなった。
しかし、頭の上では稲妻が光っている。自分が力尽きたら、この子は川にのまれてしまう。
ホ・フエロォーは顔にかかる雨と汗を片手でぬぐい、渾身の力をふり絞り、1歩ずつゆっくりと進んだ。
こんな事は今までで初めてであった。
やっとのことで、向こう岸に着いた。ふらつく足で、転ばないよう気をつけ、その子供を肩から優しく持ち上げ地面に下ろした。ところが不思議と、その子は最初に持ち上げた時と同様に軽いし、小さい。
ホ・フエロォーは息を切らしながら、その子に尋ねた。「ぼうや、君は一体何者なのかね?君を運んでいると、1歩踏み出すたびに重くなって、この岸に着く頃は世界の地面を肩に担いでいるより、重かったよ。」
その子は、変わらず優しい済んだ目で、ホ・フエロォーを見つめていった。
「ホ・フエロォー。わたしだよ。」 『その方は主だ。主がみこころにかなうことをなさいますように。聖書サムエル記第一3:18』ホ・フエロォーは驚いた。さて、何がどうなっていくのか?続きは、明日のお楽しみ・・・。
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