エセル・マーマンのHAPPY その2

5月15日(金)晴れ
『正義に出会えるHAPPYは、才能も心も生かしていく。』実祝プランニング語録
昨日の続き。少年ビルが、新聞2部のお金を払ってもらえず、道に倒れた時、かん高い女性の声がして、光沢のある黒い馬に引かれた立派な馬車がビルの前に停まった。
馬を御している御者もぴかぴかのシルク・ハットに縁取りがされた、格のある制服を着ていた。
その馬車の中から、身を乗り出し、ビルを見つめていたのは、バラを持った美しい女性であった。
この女性こそが「エセル・マーマン」だった。マーマンの目には涙が浮かんでいた。
マーマンは心は優しいが、結構はっきりものを言うタイプだった。
怒りながら、「あの、ろくでなしは、誰だ!みんな、あんたにお金を払わず、酷い事をするのを見てたよ。ちょっと、あんたはここで待ってるのよ。すぐ戻るからね!」
そういってから、御者に「マイク!あの卑怯な男をとっちめてやろう!」と馬車ごと走っていった。ビルは何が起きたのか呆然として、それでも涙をぬぐいながら待っていた。
10分ほどしてマーマンを乗せた立派な馬車がHAPPYなことに戻ってきた。
マーマンはビルを馬車の中に招き、隣に座らせた。
「さあ、マイク、あんたがとっちめたことを、この子に話しておやり。」
御者のマイクは口を開いた。「わしは、あの男をこてんぱんになぐってやったさ。素直な子供をいじめるな!ってね。そして新聞代を払ってもらったさ。」そういって、涙で濡れたビルの手に5セント硬貨を握らせた。この頃のマーマンは「鏡の中にいる時」というショウで愛らしく快活な主人公、メイ・アーヴィンを演じていた。
マーマンはビルに言った。「ねえ、もう1つ言っていいかな。あんな大人がいたからって、人を憎んだらいけないよ。世の中、きたないこともあるけれど、嫌なことばかりじゃない。HAPPYもあるさ。新聞代も払ってもらえたし、私たちは正しかったってことだよ。」
そう言うと、ビルの手にバラの花と1ドル紙幣を加えて握らせた。このマーマンの優しい正義を貫いた行為と優しさが、苦労の多いビルをぐれることから、素直に生きることに転換させたのだった。『正義の道にはいのちがある。その道筋には死がない。聖書 箴言12:28』マーマンに出会わず、ぐれていたら、ビルの才能も素直な心も死んでいた。続きはまた、あした・・・・。
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